幼稚園に餃子(上の子)を送ってる最中にね、彼急に立ち止まったんですよ。
一点を見つめて。
それがもうものすごい一点の見つめっぷりで。
一点見つめる選手権があったら優勝狙えるんじゃねーかなって思うくらい。
いやーでもロシア代表とかは強そうだな。
通称サンクトペテルブルクのストレレッツアイとか呼ばれてそうだな。
まぁそんな事はどうでもよくて。
立ち止まった理由は向こうから明かして来た。
「歯取れたー!」
そう。
ぐらっぐらだった歯がついに抜けたのだ。
そんでまぁ歯をね、手渡された訳だけど、これどーすんだっけ?
歯渡されましても…。
何かおまじないとか儀式的なものは極力回避してきた僕なので、処理方法を覚えてないんですよね。
確か抜けた歯の場所によって、屋根の上か地中に埋めたような。
あれ、でも子供の頃はアスファルトに叩きつけた記憶もある。
今回抜けた歯は下の歯なんで屋根の上?
でもさ、うちのマンションは3階建てだからさ、あんな軽くてちっこい歯じゃ精々2階までよ。
2階の洗濯物にぶつかっておしまいですよ。
旗包みですよ。
となるともうちょっと質量のある何かでくるんで、例えばおにぎりみたいにして投げれば届くだろうか。
でもおにぎりを屋根に投げたら、きっと御近所関係がすごい事になるからね。
普通に渡したら喜ばれるのに、屋根に投げたら関係悪化するって、おにぎりって不思議。
奥が深いわ。
でも小さめのおにぎりなら大丈夫かな。
となると、まず歯を中心部に仕込んだ小さめのおにぎりを握る。
それだけでは重量が足りず、屋根の上までは届かない。
そこで細長い麻袋を用意して、先端に入れて結んでおく。
それをぐるんぐるん振り回し、おにぎりの質量不足を遠心力でカバー。
その名もオペレーション室伏!
あれ?
歯が抜けた後ってこんなに大掛かりだったっけ?