液体パパ

悲しんでいる人には更なる悲しみを、怒っている人には更なる怒りを与えるイラストを得意とするパパが子育てネタを中心に変な記事を公開します。


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【ちょい真面目】1億総憲兵化社会における子育て

ネットでニュースを見てたらこんな記事が。

「赤ちゃんの泣き声がうるさい」苦情はあり?ネットで議論に - ライブドアニュース

同棲している彼女が隣人の赤ちゃんの泣き声がうるさいと苦情を入れた事にドン引きし、その対応の是非を彼氏が掲示板で問うたもの。

隣人はシングルマザーであるらしく、それを鑑みると彼女は厳しすぎるのではないかという書き込み。


これには当然賛否両論出ている。
「赤ちゃんの泣き声は不快そのものなので夜中に泣かせているようではそれは親の怠慢だ」

という彼女派の意見から

「普通は赤ちゃんの泣き声では苦情は入れない。心が狭すぎる」

という彼氏擁護意見も。

総合的には彼氏側の意見が多数だったようですけどね。


絶賛子育て中であると同時に人間観察と社会学に興味を持っていて、何よりも仕事柄様々な人の話を聞ける僕は思う所があるのです。

まず大前提として、今の日本はとにかく余裕が無い。
金銭的、時間的、精神的、肉体的。
全てにおいて余裕のある人が少なすぎる。

だから少しでも隙を見せるとどこのイッパイッパイの奴が牙を剥くか分からない状態。

これはつまり1億総憲兵化社会。


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どこの誰が粛清と称して噛みついてくるのか分からない。

加えて個人主義と共同体の空洞化から、隣人は味方だった過去とは違う。

ご近所は相互扶助の関係から下手をすると敵対、監視の社会となった。
(まぁ都市部の話ですが)


普通の感覚ならば赤ちゃんの泣き声で苦情とかふざけんなって思いますよね。
普通はそう。

赤ちゃんは本来地域の宝。
延いては国家の宝。
ある程度の教養と冷静な判断さえあれば一つも難しい話じゃない。
資本主義社会の基盤ですよね。


所が余裕の無い社会ではそんな簡単なロジックでさえもぶっ飛んでしまう。
何故なら周囲で自分が一番辛いと殆どの人が思っているからだ。

「自分が一番辛いのに夜中の睡眠を邪魔する隣人は頭がおかしいんじゃないか」

こうなる。

少なくともそういう人間が近所にごろごろいるという事は認識しておいた方が良いわけ。

1億総憲兵化社会ですから。


赤ちゃんが泣くのは本来は仕方ない。
言葉を話せないんだから泣く事でしか訴える事が出来ない。

親が本気を出せば全く泣かずに赤ちゃんを育てられるのか。
そんな筈はない。
当然。

だがしかし!
それを理解出来ないご近所さんがいる事は予め認識しておかなければならない。

1億総憲兵化社会だから。


"私には余裕がない。
だが自分の周りは自分より楽をして生きている連中ばかりだ。
例えばそう、隣の子育て中のシングルマザーもそうだ。
自分は明日も会社での激務が待っているのに、向こうは優雅にランチでもしながら子育てをしているのだろう。
ネットにそう書いてあったから間違いなくそうだ。
だから苦情を入れてやるのだ。
これは世直しの一環だ!"


余裕が無いとはこういう事。
人によっては罪悪感は愚か世直しだとさえ思う。
余裕が無いとはこういう事。


こんな社会だからこそ、子育て世帯はやはり挨拶等で先手を打つのは必須ではなかろうか。

多くの場合、こういった"配慮"だけで済むからだ。

一番辛いのはあなたですが、我が家はいかんせんまだ子供が小さいもので…。

これを挨拶という形で演出するだけでいいのだ。
引っ越しの際に一発、挨拶という駒を配置しておく。
これがのちのち生きてくる訳だ。

以降事があるごとに手を打てばパーフェクトでしょ。

よくわからん奴と顔見知りとでは怒りゲージの上がりかたが雲泥の差って訳ですね。


長男が通っていた幼稚園では運動会の音に苦情を入れてくる年配のご近所さんがいて。
餅つき大会の餅を持って挨拶に回ったりしていたようでしたね。
(餅で殺す気だったとかでは無いと思う)


大学の文化祭なんかでも、そこそこの予算を割いて近所への配慮を行っていますね。

良い悪いは別としてそういう世の中って事。

掲示板での結果からも分かるように、幸い苦情まで入れてくるのは多数ではない。
でも心ではどう思っているか分かりません。
別件でのフラストレーションが爆発していつこっちに降り注いで来るか分かったもんじゃない。

苦情が来ないから大丈夫だろうってのは楽観的過ぎ。
ここは先手で"配慮"を見せるべきです。
そして顔と声と状況だけでも見せておくべきです。
古典的ながらこれはかなり有効な手段と言えます。

逆に言うとこれでも駄目だった場合はボス級のご近所さんなので引っ越しを含めた対応を考えた方が良いのかもしれない。

引っ越しなんか簡単に出来ないけど、しまいにゃどんな不幸な未来が待っているか分かったもんじゃないので。

小さい不満でもインターネットで増幅させて怒りマックス状態になるのが現代社会。


さて。
最後に後味の悪いサスペンスホラーみたいな事も書かなければならない。

子育て世帯にもそれなりにモンスターはいるぜって話。

そもそも子育ての資格のない親がこの世にはいる。
非常に不幸な話だけど残念ながらいる。

深刻なのは虐待や長期的な育児放棄。
これに関してはそもそもの"資格"の問題だと僕は思っている。

こんなのは実は昔からいて、子供たちを救ってきたのは親族や地域社会。
核家族化し個人主義化した今は、行くところまで行ってしまう不幸な結果になりやすい。
これはちょっと別問題。


それとは別で、ちゃんとしている親なのにおかしくなってしまうパターンがある。
そう、全ての子育て世帯にとって他人事ではないのが育児ノイローゼ。

子育てはやはり尋常じゃない。
今までの全ての趣味や楽しみを、子育て中は一旦全部捨てないとならない。
これはとてつもないストレスですよね。

僕自身も経験があるけど、子育ては本当に全ての余裕が無くなります。

余裕が無くなるといえばそう。
油断すると子育て中の人も憲兵化するのです。
他のあらゆる人が羨ましく見えて辛い。

ベビーカーが邪魔だと?
邪魔なのはテメーらだこら!
どけどけっ!
こっちは急いでんだよ!


辛いのはみんな同じですよね。
他人が楽そうに見えるのはみんな同じですよね。


憲兵の本来の役割は市民の監視ではなく、組織内の監視。
自らを監視して戒める憲兵さんになりたいものです。